論文とレポート


ピケティ関連資料をアップ(2015年7月17日up)

竹信三恵子さん、合田寛さん発言

トマ・ピケティの著書「21世紀の資本」への関心は大変強いようです。当ホームページの「論文とレポート」に掲載している「(研究ノート)トマ・ピケテイ『21世紀の資本論』を読む」 筆者金融・労働研究ネットワーク代表 高田太久吉 へのアクセス・ダウンロード数も着実に増えています。金融・労働研究ネットワークは3月28日に研究会を開催し、和光大学の竹信三恵子教授から「アベノミクスと格差―ピケティ『21世紀の資本』から」をテーマに報告を受けました。当日は資料として竹信さんと合田寛氏(政治経済研究所)のシンポジウム「税金を払わない巨大企業」における発言を配布しました。これは今年2月15日に開催されたシンポジウム「税金を払わない巨大企業」でゲストスピーカとしての発言を文章化したものです。竹信さんは格差社会にどう対応するかを提起し、合田さんはタックスヘイブン問題と関連して課税のあり方を提起されています。同シンポジウムは「公正な税制を求める市民連絡会(仮称)準備会が開催しました。

ダウンロード  ピケティ「21世紀の資本」を読んで 竹信三恵子 (2015年7月17日up)

ダウンロード  巨大企業の税金逃れを許さない 合田寛(2015年7月17日up)


報告 最低賃金を1000円以上に(2015年6月3日up)

報告 最低賃金を1000円以上に

神奈川県では現在の最低賃金制が本来果たすべき役割を果たしていないとして、神奈川労連と最低賃金裁判原告団が厚生労働大臣と神奈川労働局長を相手に横浜地方裁判所で裁判闘争をたたかっています。国学院大学名誉教授で労働総研代表理事の小越洋之助氏は現在の最低賃金制度の問題点を明らかにして、意見書を提出し4月22日の裁判終了後の報告集会でその趣旨を報告しました。以下はその報告の一部を文章化したものです。(2015年6月3日up)

報告をダウンロード  最低賃金を1000円以上に


(研究ノート)トマ・ピケテイ『21世紀の資本論』を読む

(研究ノート)トマ・ピケテイ『21世紀の資本論』を読む

筆者 金融・労働研究ネットワーク代表 高田太久吉

トマ・ピケテイの著書が注目されています。当金融・労働研究ネットワーク代表の研究ノートをアップします。(2015年3月5日up)

研究ノートはこちらをクリック  (研究ノート)トマ・ピケテイ『21世紀の資本論』を読む(2015年3月5日up)

 


書評 合田寛 著 「タックスヘイブンに迫る」を読んで 森史郎

当金融・労働研究ネットワークの研究会に参加される森史郎さんから、合田寛氏の「タックスヘイブンに迫る」についての紹介メールをいただきました。当ホームページでは「メッセージとコラム」に」小林寿太郎さんの紹介を掲示しています。森さんは別の視点からテーマについて詳しい解説をされています。ご本人の了解を得て、紹介させていただきます。
なお、全文は森さんのブログ「泉通信
http://www.izumi-tsushin.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-244e.htmlに掲示されています。そちらもご参照ください。

 本書の著者は税制や会計の問題に詳しく、その為もあって当ブログ(「泉通信」)でもその著書や、雑誌への掲載論文のいくつかをご紹介してきた合田寛氏が、最近、タックスヘイブンについての単行本を発行されたのでご紹介する。TAXHAVEN、直訳すれば、「税金からの避難港」については、言葉を耳にする機会は増えてきたものの、まだその意味や実態が理解されていない分野だとも言えよう。

《『アベノミクス』批判の舞台》
 12月14日投票の総選挙の大きな争点の一つとなる『アベノミクス』の舞台は、国際生産投資の獲得をめぐる国際輸出・技術競争力競争。アベノミクスは、労働力の流動化によって安くて効率の高い労働力を作り出し、法人税の安い、法人による社会保障負担の低いビジネス環境を作ろうとしているわけである。
 しかし円安で交易条件を高め、膨大な流動性を市場に供給し、個人消費と法人設備投資を刺激し、消費増税後のGDPの反動減を小さくしようという思惑も失敗に帰した。駆け込み需要のあった2014年1-3月期実質GDP前期比 +1.5%、,駆け込み需要の剥げ落ちた4-6月期、-1.7%、7-9月期-0.4%と、増税に対応しての消費需要減が『成長政策』に先行している形だ。
 この『アベノミクス』の誤りを分析する際にも国際金融資本の資金の流れを追うタックスヘイブンの分析手法が必要となると思われる。

《開拓者として》
・この分野の開拓者としてのご苦労を思い、著作への感謝に耐えない。サミットから市民運動まで、税務・会計・経済から政治・地理まで、広い知見が示された。今後参考とすべき基礎資料の整備としても助けとなるものである。この書は、タックスヘイブン問題が身近で放置できないものだという警鐘を鳴らすと同時に、欧米に比べ遅れている日本での運動の喚起を訴える啓蒙の書でもある。以下、重要と思われる論点を紹介する。

《タックスヘイブンを利用した目に余る課税逃れ》
・毎年、売上17 兆円、利益3 兆円、フルタイムの正規雇用だけでも8 万人を越えるアップル社が、まったく納税していなかった。同社だけでなく、ほとんどの大企業がタックスヘイブンを利用した課税逃れに取り組んでいる。
・海浜リゾートのイメージに重ねられがちなタックスヘイブンを舞台にした課税逃れの仕組みは、「タックスプランニング」という言葉に美化され会計士事務所や法律事務所から提供されている。ヤシの木の背後には多国籍企業や巨大銀行、法律会計事務所によるグローバルなネットワークが浮かび上がってくる。(続きを読まれる方は以下のアドレス「泉通信ブログ」にアクセスしてください。)(2014年11月25日up)
 http://www.izumi-tsushin.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-244e.html


(調査レポート)「激変した金融労働者の雇用構造」

報告者 田中均
 バブル経済崩壊後の長期にわたる金融不安の中で、金融業界ではかってないリストラが進み正規労働者の大幅削減、それに代わる子会社従業員、契約社員、パートタイム労働者、派遣労働者と様々な雇用形態の労働者が増大し雇用の多様化重層化が進んだ。そして今、新たに限定正社員が導入されようとしている。本レポートでは、バブル崩壊以降の強権的な不良債権処理の中で金融労働者の雇用と労働条件がどう変化したかを検証した。(2014年8月20日up)
調査報告 「激変した金融労働者の雇用構造」 田中均 (2014年8月20日up)


(報告要旨)「東京国際金融センター構想」について

報告者 高田太久吉
 昨年(2013年)12月に「金融・資本市場活性化有識者会合」が「金融・資本市場活性化に向けての提言」を公表し、今年(2014年)5月には日本経済研究センター、大和総研、みずほ総合研究所が「東京金融シティ構想の実現に向けて―金融資本市場活性化を成長戦略の柱に」公表するなど、アベノミクスの成長戦略を受けた金融制度改革=いっそうの規制緩和を進める提言が相次いで打ち出されています。当金融・労働研究ネットワークの高田太久吉代表は日本共産党都議会議員団からの要請を受けて、この問題への見解の報告をおこないました。高田代表は一連の提言が①1990年代初頭のバブル経済崩壊、②1990年代半ばの橋本政権による金融ビッグバン政策、③小泉構造改革時の「貯蓄から投資へ」のプロジェクトの失敗、④米型投資銀行モデルを目指してきたことの検証・反省がおこなわれずに議論されている点など「7つの欠落」を指摘しました。金融労働運動は労働者・国民の視点からの批判とあるべき金融の姿の議論を進めていくことが求められています。(2014年8月3日up)
報告要旨「東京国際金融センター構想」について(高田太久吉)


職場レポート 派遣労働者の直接雇用と限定正社員化の動き

三菱東メ京UFJ銀行で企業内組合が組織化を進める
職場レポート
表示・ダウンロード: 派遣労働者の直接雇用と限定正社員化の動き
 「日本経済新聞」が三菱東京UFJ銀行で、契約社員7000人が同行の企業内労働組合三菱東京UFJ従業員組合の組合員になったと報じ、「朝日」や「赤旗」でも報道されました。労働者派遣法の改正を受けて銀行業界では、派遣労働者の直接雇用化を進めています。直接雇用となった契約社員の処遇が今後どうなっていくのか。メガバンクではこれまで正規従業員に匹敵する規模の派遣労働者を「もっぱら派遣」で就労させてきました。この派遣労働者の直接雇用化が今後の正規・非正規労働者の雇用に大きな影響を及ぼす可能性があります。(2014年5月3日up)
金融機関の非正規労働者のたたかい
金融機関の非正規労働者のたたかい(2)


JAL不当解雇撤回 高裁勝利!早期解決をめざす10・25大集会 弁護団報告

報告者 上条貞夫
表示・ダウンロード: JAL不当解雇撤回 10・25大集会 弁護団報告
 10月25日、東京文京シビックホールでJAL不当解雇撤回 高裁勝利!早期解決をめざす10・25大集会が開催され、1800人が参加しました。集会では、全国が注目しているJAL不当解雇裁判の原告団長として奮闘している上条貞夫弁護士が弁護団報告を行いました。簡潔で分かりやすく力のこもった報告で参加者を強く励ましたと参加者の声を聞き、上条弁護士にお願いして当日の弁護団報告の原稿を掲載します。(2013年11月15日up)


協同金融研究会報告要旨「信用金庫破綻の教訓」

報告者 石川清英氏

表示・ダウンロード: (協同金融研究会報告)信用金庫破綻の教訓
 このサイトの「交流のひろば」でも紹介しましたが、協同金融研究会は7月12日に開催の第111回定例研究会で「信用金庫破綻の教訓」をテーマに石川清英氏から報告を受けました。報告者の石川氏は丹念な資料分析と、信用金庫勤務の豊富な経験から、健全経営を維持している信用金庫と破綻信用金庫を比較分析。協同組織金融の本来の在り方への示唆に富み、金融労働運動にとっても有意義な視点を提供するものでした。
たとえば、「人件費」「物件費」など効率性を示す勘定科目では破綻金庫と健全金庫で大きな差がない、営業店に対する業績評価の問題とそれに伴うモラルの低下が、営業店の実情を無視した融資金の増加政策が信用金庫の業績を悪化させたなど、協同組織性に基づく中小企業金融を目指す運動の確かさを裏付けるものです。協同金融研究会の「ニュースレター協同金融」から当日の報告の要旨をアップします。なお、石川氏は同名の著書「信用金庫破綻の教訓」を日本評論社から出版されています。(2013年9月13日up)


翻訳 (資料紹介)金融危機と投資銀行の責任

米上院常設調査小委員会編「ウォール街と金融危機:金融崩壊の解剖」序文
翻訳者 高田太久吉

表示・ダウンロード: (資料紹介)金融危機と投資銀行の責任
 今回の金融危機に関して、米議会は二つの大分な調査報告書を公にした。一つは金融危機調査委員会(FCIC)による報告書 The Financial Crisis Inquiry Report (2011) であり、もう一つは米上院常設調査小委員会編「ウォール街と金融危機:金融崩壊の解剖」である。上院小委員会報告書は金融危機に大きな責任を負うウォール街の大手金融機関とその経営者、とりわけつゴールドマン・サックスに焦点を当て、ウォール街関係者の刑事責任が一切問われない状況に疑問を呈している。FCIC 報告は「すべての関係者に責任の一端を負わせることですべての関係者を事実上免罪している」と言われるのに対して、上院小委員会報告は、最大の焦点をゴールドマン・サックスとドイツ銀行に当て、これら二つの投資銀行の業務と行動を立ち入って分析(Ⅵ)することで説得力のある危機原因の説明に成功している。ここでは、我が国では紹介されることが少なかった上院の報告書への関心を高めるために、上院委員会による最初の公刊後、これとは別に民間出版社によって出版された際、出版責任者(Alexander M. Dake)が付した「序文」を紹介する。この報告書の狙い、成立の経緯、FCIC 報告との違いを指摘し、読者に本報告書への関心を喚起する、簡潔ですぐれた紹介になっている。(2013年4月15日up)