スルガ銀行の不正融資事件の問題の出発点はどこにあるか。駿河銀行従業員組合は、橋本龍太郎内閣が打ち出した金融ビッグバン政策の中で、1998年にスルガ銀行が大きく営業方針を転換し、地方銀行の果たすべき社会的責任を放棄していることを告発していました。これは同年8月に開催された「第26回銀行労働者夏期講座」の中で、同従業員組合が報告したものです。現場で働く労働者の目からは、明らかに地方銀行の本来の業務を放棄する経営方針の大転換であり、20年後の前代未聞の大規模な不正融資を予見するものでした。この報告は「銀行労働調査時報」98年10月号に掲載されています。その中で、地方銀行協会の「地銀協月報」にも論文を執筆するコンサルタント氏が「某週刊経済誌」に「スルガ銀行個人戦略の凄味」というレポートを執筆しスルガ銀行の方針転換を称賛しているとして、その無責任を批判しています。「調査時報」のレポートではYというコンサルタントが「某週刊経済誌」に執筆したとなっています。さかのぼって調べると「週刊ダイヤモンド」の98年6月13日号に、山本真司氏が「金融ビッグバンを勝ち残るスルガ銀行個人戦略の凄み」を執筆されています。現在、スルガ銀行の不正融資を告発・批判する報道が氾濫していますが、問題の根本には金融行政が率先して推し進めてきた政策と、それを称賛してきた無責任な専門家の暗躍があるのではないかとの疑問が膨らみます。 金融ビッグバン政策とスルガ銀行不正融資(2018年11月28日up)
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